求人情報をサーチした際、「玉掛け」という単語を見かけた方は多いのではないでしょうか。
名前だけでは仕事内容がイメージしにくいですが、建設現場のように重い荷物の運搬を伴う現場では必須の作業です。
今回は「玉掛けとはどんな仕事なのか?」を詳しく解説するとともに、玉掛けに必要な資格や向いている人の特徴、求人例もご紹介します。
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玉掛けとは
「玉掛け」はクレーンを用いた運搬作業を行うとき、クレーンのフックに荷物を掛けたり外したりする仕事を指します。
単純そうな仕事とイメージされがちですが、現場の安全性を左右する重要な役割です。
重い荷物をクレーンで持ち上げるとき、正しい方法で掛けなければ落下して他の作業員にケガを負わせたり、命にかかわる深刻な事故を招く恐れがあります。
荷物の運搬におけるリスクをいかに回避できるかは、玉掛けの正確性にかかっています。
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作業内容
玉掛け作業における主なやり方は、以下の2つです。
- クレーンのフックに荷物を縛った紐を掛ける
- フックに結び付けた紐を荷物に掛ける
フックに掛ける方法としては、「目掛け」「半掛け」「あだ巻掛け」「肩掛け」の4種類があります。
最もメジャーかつ安全と言われている方法は目掛けですが、非対称な荷物の運搬には適していないため形状に合わせて方法を使い分けます。
一方、フックに結び付けた紐を荷物にかける場合の主な方法は「目掛け」「半掛け」「目通し」「あだ巻掛け」の4種類です。
特によく用いられている方法は半掛けですが、やり方が比較的単純なぶん重心が中心にない荷物などの運搬には適さないというデメリットがあります。
作業環境
玉掛け作業の環境、クレーンを使う場所によって異なります。
例えば工場で重い荷物を持ち上げる作業の場合は屋内、建設現場で資材を持ち上げる場合は屋外です。
基本的にクレーンを操縦する「クレーンオペレーター」とペアになり、合図を送りながら連携して作業を進めていくことになります。
危険を伴う作業であることから、しっかりと研修を実施している職場が多い傾向にあります。
クレーンとの関係性
よく同列に語られている、玉掛けとクレーン。
玉掛けに必要な資格取得の際に受講する講習ではクレーンについての知識がカリキュラムに含まれており、それだけ密接な関係性であることが分かります。
クレーンの運転には別の資格が必要ですが、取得すれば1人でクレーンを使った運搬作業が可能です。
玉掛けに対する理解を深めることも兼ねて、玉掛けとクレーン運転の資格を一緒に取得する人も多く見受けられます。
玉掛けの年収
玉掛け作業における平均年収は男性で約434万円、女性で約344万円とのデータが出ています。
その他の定置・建設機械運転従事者の平均年収は全体で約429万円といわれているため、玉掛けは水準よりもやや高い収入が得られると期待できます。
【参考】厚生労働省:賃金構造基本統計調査
玉掛けに必要な資格2種類
玉掛けの仕事に就く場合、「玉掛け特別教育」または「玉掛け技能講習」という講習を受けて資格を取得する必要があります。
どちらも厳しい受講資格は決まっておらず、18歳以上の人なら誰でも取得を目指すことが可能です。
ただし仕事内容によって取得するべき資格が変わるため、2種類の違いについて理解しておきましょう。
資格①:玉掛け特別教育
玉掛け特別教室は、「1トン未満の荷物」を扱う玉掛け作業について学べる講習です。
試験は実施されず、講習にて規定のカリキュラムを修了すれば作業に従事できるようになります。
1トン未満の荷物において資格取得は義務付けられていませんが、「特別教育の修了」を採用条件として設けている現場もあります。
講習の内容は、以下の通りです。
▼学科講習(5時間)
- クレーン、移動式クレーン、デリック及び揚貨装置に関する知識(1時間)
- 玉掛けに必要な力学に関する知識(1時間)
- 玉掛けの方法(2時間)
- 関係法令(1時間)
▼実技講習
- クレーン等の玉掛け:3時間
- クレーン等の運転のための合図:1時間
なお、受講にはテキスト代・消費税込みで15,000円程度の受講料が必要です。
資格②:玉掛け技能講習
「1トン以上の荷物」を扱う玉掛け作業を行うには、玉掛技能講習を修了する必要があります。
AコースとBコースの2種類が用意されており、Aコースは18歳以上であれば誰でも受講可能です。
一方、Bコースは以下の資格取得が受講条件として定められています。
- 移動式クレーン運転士免許
- クレーン・デリック運転士免許(旧クレーン運転士免許、旧デリック運転士免許含む)
- 揚荷装置運転士免許
- 床上操作式クレーン運転技能講習修了者
- 小型移動式クレーン運転技能講習修了者
講習の内容は特別教室よりも多いですが、Bコースの場合は一部科目が免除になります。
▼学科講習
- クレーン等に関する知識(1時間)
- クレーン等の玉掛けの方法(7時間)
- クレーン等の力学に関する知識(3時間)
- 関係法令(3時間)※Bコースは免除学科修了試験(規定時間)
▼実技講習
- クレーン等の玉掛けの作業(6時間)
- 実技修了試験(規定時間)
受講費用はAコースで23,000円程度、Bコースで21,000円程度です。
玉掛けに向いている人の3つの特徴
玉掛けは、以下の特徴に当てはまる人に向いている仕事です。
特徴①:責任感が強い
重量・形状ともに様々な荷物をクレーンに掛けたり外したりする玉掛けは、少しのミスが重大な事故を引き起こす原因となります。
そのため、常にプロとしての意識をもってすべての作業を完璧にこなせる人に適した仕事です。
責任感の強さは仲間からの信頼を集めることにもつながるため、褒めてもらうことでモチベーションの向上にもつながります。
特徴②:用心深い
玉掛けは実際の作業だけでなく、入念な事前準備も大切です。
荷物の大きさ・形状・重量を正確に把握しながら、移動先の場所やルートの確認、どのように荷物を置くかなど様々なことを考える必要があります。
そのうえでわずかにでもズレや緩みがないかを確認しながら、フックに荷物を掛けます。
現場での事故を防げるかは玉掛け作業員の注意力にかかっているため、用心深さのある人にこそ向いている仕事です。
特徴③:チームワークを重視する
現場の事故を防ぐにあたって、正確な作業や入念なチェックだけでなくチームワークも重要です。
玉掛けでは正しい知識を持った作業員が、クレーン操縦士とコミュニケーションを取りながら作業を進めます。
そのため、現場の状況を見ながら細かい気配りをしつつスムーズに作業をこなせるような人に向いている仕事でもあります。
玉掛けの求人例
玉掛けは正社員・派遣社員・日雇いなど様々な雇用形態の求人情報が出ています。
ここでは、雇用形態別で玉掛けの求人例をご紹介します。
求人例①:正社員
▼製造業
- 業務内容:設備の製造に関わる玉掛け・クレーン業務など
- 月給:約250,000円
- 待遇:社会保険、有給休暇、教育制度、通勤手当、寮費補助など
▼構内業務請負業
- 業務内容:玉掛け(未経験、無資格可)
- 月給:約200,000円~
- 待遇:社会保険、有給休暇、資格取得支援制度、深夜手当など
求人例②:派遣社員
- 業務内容:建設機械部品加工完了製品の出荷作業(玉掛け、カウンターリフトなど)
- 時給:1,300円~
- 待遇:社会保険、前払い可、交通費支給など
- 業務内容:鋼材運搬におけるクレーン操縦、玉掛け作業など
- 時給:1,700円~2,125円
- 待遇:社会保険、前払い可、正社員登用など
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求人例③:日雇い
▼港湾作業請負業
- 業務内容:玉掛け、資材搬入・荷揚げなど
- 日給:10,000円~
- 待遇:制服貸与、駐車場完備、昼食支給など
▼工場・製造業
- 業務内容:クレーン運転・玉掛け
- 日給:9,000円~12,000円
- 待遇:制服貸与など
まとめ
「玉掛け」とは、クレーンに重さのある荷物を掛けたり外したりする運搬作業のことです。
聞いただけでは地味に思えるような仕事ですが、現場の安全性を左右する重要な役割と言っても過言ではありません。
高いプロ意識や注意力、協調性が求められる仕事ですが、そのぶん大きなやりがいを感じられる仕事です。
資格取得の難易度は高くないため、興味を持った方はぜひ挑戦してみてください。
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